グローブミュージアム‐日本手袋工業組合

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手袋の歩み 発展期





  •  大正初期は、ドイツが手袋生産の中心国であり、イギリスが原材料生産と流通機能を担っていました。大正3年(1914)にドイツ・ロシア・フランス・イギリスなどを巻き込んだ第一次世界大戦が勃発したことによりヨーロッパ商品の輸入が途絶えたため、日本では紡績・織布・製糸製品の輸出が増大し、重化学工業の発展が促され大戦景気が起きました。手袋産業においても主要生産国であるドイツとイギリスの両国が戦争当事国となったため、代替生産国として日本へ大量の注文が入ってきました。この需要をこなすため、多くの手袋工場が設立されました。中でも大きく設備を広げたのは大阪手袋株式会社(社長棚次辰吉)と東洋手袋株式会社(社長森本吉太郎)でした。
     しかし、同7年(1918)の大戦終結後、反動恐慌が起こり日本全国で企業の倒産が続きました。手袋工場も例外ではなく、大戦景気で設立された多くの手袋工場は倒産しました。
    大阪手袋株式会社讃岐支店
    大阪手袋株式会社讃岐支店
    大正時代
    作業風景
    大阪手袋株式会社縫工部の作業風景
    大正時代
    東洋手袋株式会社白鳥工場
    東洋手袋株式会社白鳥工場の建物




    • 大正初期

      成瀬歌吉、由良商会(詳細不明)と組んで上海に渡航して市場開拓に着手する。

    • 成営公司上海支店
      成瀬歌吉が経営する成営公司上海支店
      昭和12年(1937)
    • 大正3年(1914)

      ドイツ・ロシア・フランス・イギリスなどを巻き込んだ第一次世界大戦が勃発する。

      手袋産業においても主要生産国であるドイツと物流を担うイギリスが戦争当事国となったため、代替生産国として日本へ大量の注文が入る。

      この需要をこなすため、多くの手袋工場が設立された。

    • 大正4年(1915)

      神崎長五郎がシンガー二重環ミシン2台(足踏式)を購入し、白鳥工場に設置する。それを参考に手廻しミシンを足踏み駆動に改良する。

      株式高騰などで成金ブーム。

    • 大正5年(1916)

      神崎長五郎の電動機設置申請が許可され、安川電気半馬力モーターを自工場に設置しミシン機を動力化する。

    • 大正6年(1917)

      ロシア革命がおこる。

    • 大正7年(1918)

      大戦終結後、反動恐慌が起こり日本全国の企業が倒産した。

      手袋工場も例外ではなく、大戦景気で設立された多くの手袋工場は倒産した。

    • 大正8年(1919)

      成瀬歌吉が店舗を大阪市吉野町に移し、上海向け手袋を製造し、月産2万ダース以上を輸出するようになる。

    • 大正9年(1920)

      戦後恐慌がおこる。

      これにより手袋輸出額が年産2万ダースに下落する。

    • 大正10年(1921)

      中国向け手袋の輸出が盛況を迎える。

    • 大正12年(1923)

      関東大震災がおこる。

    • 昭和4年(1929)

      棚次辰吉がドイツからトリコット機を輸入し淡路工場に設置し、手袋生地の自給化を図る。

      神崎長五郎がドイツのオット・サイファート社製32G三枚筬トリコット機を輸入し、神崎商店白鳥工場に設置する。また同氏がスキー手袋・作業用手袋を扱い始める。

      世界恐慌がおこる。


      トリコット機
      神崎商店白鳥工場のトリコット機
      昭和6年(1931)
    • 昭和5年(1930)

      昭和恐慌がおこる。

    • 昭和6年(1931)

      満州事変がおこる。

      これにより年間約30万ダースあった中国向け手袋輸出が激減する。

    • 昭和7年(1932)

      満州国建国宣言。

    • 昭和8年(1933)

      神崎長五郎が神崎商店白鳥工場にエアーコンプレッサー(3馬力)を設置して、三枚筬機による製造が安定化する。

      輸出品出荷風景
      神崎商店の輸出品出荷風景
      昭和11年(1936)ごろ
    • 昭和9年(1934)

      手袋業者によって、白鳥神社裏に両児舜礼先生碑が建立される。現在は手袋公園(白鳥神社裏・白鳥の松原)に移転されている。

    • 昭和10年(1935)

      アメリカの手袋王アイビー・コーヘンが来讃する。

    • 昭和11年(1936)

      重要輸出取締法が実施され、手袋も指定品目となり、強制検査が始まる。アメリカからも毛手袋ダンピング問題がおこる。

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